『パレード』


寒い冬の夜、僕らは旅の途中だった。
ちゃちなパレードが僕らの前に現われて、恋の歌を唄った。
唄ったんだけど…
目の前の好きな人の、僕は何にも知らなかった。


彼女はずっと窓の外を眺めていて、
そして僕にはその心がわからないで。
ただ目を背けてばかりで何もしない。
窓の外に何かが、あるはずもないのさ。


知らず知らずに時は流れて、
冷たい空が夜明けを迎えゆく。
ああ、この夜は僕には少し
派手過ぎたものだろうね、と


夜は確かに終わったのでした。