2007-05-01から1ヶ月間の記事一覧

パン生地君が逃げ出した まな板の上に投げ付けられて 伸ばされて強く押し込められて 少しずつ柔らかくなっていく やがて立派なパンになっていくことから逃げ出したんだ 一度焼かれてしまうと元には帰らない 彼には彼の夢がある ある漠然とした夢がある 焼か…

世界はまだ全然表情を変えちゃいないから そのドアを開くことは許されない 時計の針がチクタクと音を急いているが 壁のやがて溶けた その先の道をゆく 街の歩道を 寄せ返す人々 繰り返す日々 それぞれの先にいくつもの海がある 零れそうな波はずっと静かだ …

mixer

プラスチックケースの中はわけのわからんもんでぐちゃぐちゃだ 蓋ができない 変な匂いがする 何を混ぜたのか忘れた 中身を捨てて洗剤で洗え きれいな水ときれいな泡だ 泡の湯舟に浸かったら 君はもうつるつるのサラピンだ そしてプラスチックケースは消えて…

板になる覚悟はあるか ただの板になる 海面に浮かぶただの板になる 空と海とに囲まれて 何も考えちゃいないけど 何も感じないわけでなく 色んなもんに漂って 色んなもんを感じてる 時折空から鳥が夢を語り 海の魚は安らぎへと招待する でもただの板は飛んだ…

街角

軽量級のこの身一つでたくさんを背負えるわけは無いさ めいっぱい幸せなふりをして幸せなやつだって思われてたらいいや ああすべてが思い通りになりはしないと知ってる だから僕らは同じ目線で歩幅合わせて進もう 忘れかけた光と影の狭間の町を 胸の湖畔に小…

おつりはいらない

言いたい事に言葉が追い付かない時も 言いたい事が無いまま喋り続ける時もあり、 ここ一番で電話ボックスが見つからない時や スーパーマンになって目的を忘れた時もあり。 世界と人とが過不足して 夕焼け電車は在庫返品作業中 おつりはいらんが つけは未来の…

先入観のしがらみと 自尊心の落書きだ それはドライアイスの煙 右も左もわからなくなって 見失わないように それの向こう側 光と影が眩しく 過ぎ去ってしまう前に 白抜きの真実を信じたい じっと目を懲らしたら 大事なもの一つ拾えるかも もやの向こうへと行…